研究から生産現場に移り 信頼性と再現性 を求められるところで測定器の重要性が出てきます。
KITEC社(ドイツ)の非接触式シート抵抗測定装置 M-RES2000シリーズは渦電流の原理を使用した非接触のシート抵抗測定器です。
まずはどうして高精度なのかをご説明します。そもそも渦電流とは何でしょうか。
図-1
① 高精度の測定1-1. 高性能のノズルヘッドを上下に設置し、ノズル間に安定な磁界を形成します。
ノズル間に導電性のワークが挿入されると、ワーク内に渦電流が発生します。
(上記 図-1のV)
この渦電流に相当する電流、電力を測定することでシート抵抗を算出します。さらに静電センサーによる厚み測定を行い、渦電流のシート抵抗値を比抵抗値
に換算します。
1-2. 測定範囲及び精度
1) 測定範囲 : 0.1Ω/sq ~ 100,000Ω/sq (10の6桁をカバーしています。)
2) 精度 : 0.1Ω/sq ~ : ≦0.2%
: 10Ω/sq ~ : ≦0.2%
: 100Ω/sq ~ : ≦0.5%
: 10,000Ω/sq ~ : ≦5%
1-3. 設置場所の干渉磁界の測定
ベースラインモニターで電源投入後の測定器設置場所周辺からの干渉磁界を
測定します。
干渉磁界の数値が大きいときは測定器の設置場所を変更するか、干渉磁界を発生して
いる機器の電源を切ってください。
高い精度を求めるには上記以外にも測定器周辺の温度も影響するため、温度センサーも
内臓しております。
KITEC社のシート抵抗測定器はこれらの諸条件をひとつひとつをプログラムで補正して、
より正確な数値を求めています。
これも長い経験に裏打ちされた技術です。
② 測定
M-RES2000シリーズはバルクモードとフィルムモードの2種類の測定ができます。
2-1. バルクモードはワークのシート抵抗、厚み、比抵抗を測定します。
図-3
この場合の条件としてRD >RC
合成抵抗1/R = 1/RC +1/RD となります。
注) フィルムモードは多層が組み合わさったワークに対して合成抵抗を測ることができます。
例えば2枚のワークを物理的に重ねたとき(図-3)、公式は合成抵抗 1/R =1/RC+1/RD と
なりますが、蒸着やスパッタリング等で作製したワークの場合は異なるデータとなります。
このようにKITEC社は長年の経験をもとに測定器としての精度にこだわってきました。
例えば昨年納入したM-RES2019では15mm以上のサンプルから測定でき、研究用にも最適なマニュアル式測定装置です。その他セミオート、オートとお客様のニーズによりサンプルのサイズ、用途に合わせたモデルを提供します。
M-RES2019
AUTO タイプ
関連リンク
簡単操作でサンプルの厚み、シート抵抗、比抵抗を測定できる 「非接触式シート抵抗測定装置」 M-RES2019の紹介です。
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