3.11の震災以降、電力会社からの電気の供給が不足し、計画停電で緊急用の電源に対して意識が高まった。
わたしも震災以降、太陽光発電を利用した独立電源を真剣に考えてきた。陥ったのはバッテリーの容量が大きくてなるべく沢山の電気が使えるようにしようという考え方だ。
しかしある時思った。小さな電気でもある程度使えればいいではないか、何もクーラーやヒーターを動かす必要はないのだと。私は、山登りが好きで疲れたときにコーヒーを飲む。
30年来のガスコンロで湯を沸かし、買ってきたモンカフェに注ぐ。 たちどころに香りが漂って気持ちが豊かになっていくのだ。そして格別においしい。銀座の老舗喫茶店のコーヒーにも劣らない味だと思う。 山道を行く人たちも一様に目をつぶって香りをかぎ、羨ましそうにこちらを見ながら追い越していく。ちょっとした優越感に浸るときだ。
話がそれたが、要は考え方ひとつだと思う。本当に必要なものは実にシンプルである。
わたしが考えたのは12Vのバッテリーと120Wの太陽電池パネルシートを使ったシステムだ
12Vのバッテリーは市販で安く購入できるし、調べてみるとシガーソケットのアクセサリーはたくさんある。 改めて12Vは車好きの豊富なニーズがあることに驚いた。
それにLEDライトも思いのほか安い。太陽光で発電した電気を無理してDCからACに変えなければ電力ロスもない。何もAC100Vをベースに考えなくてもよいのだ。その上、太陽電池パネルシートは最大発電量120Wの大容量で、軽くて(2.4kg)、薄い(3.5mm)。出力電圧が22Vだから12Vのバッテリーと組ませるのは問題ない。
試してみてわかったことだが、システム上は太陽電池からチャージコントローラを通してバッテリーに充電して使うのだが、太陽電池パネルシートの最大発電量が120Wと能力が高いため、実際は晴れ間があれば(曇っていても)充電する量を上回る発電量がある。
つまり即電気が使えるのだ。 しかも電気を充電しながら、溢れた分をその場で使うので、チャージした電気は夕方から夜にかけて使うことができる。
この溢れた電気を使うというのは蓄電の考えとは全く別のものだ。
世の中、蓄電池の技術の向上には目を見張るものがあるが、如何せん充電時間がかかりすぎる。フル充電になったらたくさん使えても、充電するまでの時間が長ければ緊急時には意味がないのではないだろうか。
そこへいくと太陽電池パネルシートの120Wのパワーはすばらしい。
だから、蓄電池と組み合わせて使えば充電時間の欠点がなくなる。例えば12V(28Ah)と組み合わせた時、チャージコントローラの表示が11.7Vから晴れ間に出すといっきに13Vまで上がりすぐにLEDが点灯、インバータでDC→ACに落としてもiPODの音楽が流れる。
太陽エネルギーが本当に自然の恵みだと感じる。
ここに格別なコーヒーがあればまさに至福のひとときを過ごせる。